2006年7月4日

メルケル政権の首脳が、週末に10時間にわたり徹夜で、健康保険改革について協議しましたが、文字通り大山鳴動して鼠一匹。健康基金を設立し、当初は子どもの保険料を増税によってまかなうという方針を打ち出したところ、世論の猛反発を受けたため、結局2008年から健康保険料を0・5%引き上げるという姑息な手段に落ち着きました。子どもの保険料には他の税収をあてるということですが、何を財源とするのか明らかになっていません。

このため、野党や経済団体、健康保険組合などからは今回の改革案について強い批判の声があがっています。特に財界は、健康保険料率を引き下げて、労働コストを下げるという最も重要な目的が達成されなかったことについて、強い失望を表明しています。

メルケル首相にとって幸いなのは、国民が今日のドイツ・イタリア戦に注目しているために、健保改革について強い関心を持っていないことでしょう。